不動産ウルカウブログ

不動産を少しでも高く売りたい人、納得して買いたい人へ。査定のコツや体験談、購入時に気をつけたいポイントを発信中。FP2級の知識を活かし、わかりやすく解説します。

「20年後に手放す予定でも家を買うべき?」築30年中古戸建て購入で悩むあなたへ、FPが考える判断基準と後悔しない選択肢

家は「一生住むために買うもの」という考え方が根強い一方で、今は転勤や介護、将来の移住など、ライフスタイルの変化を見据えて「期間限定の所有」として住宅を検討する人も増えています。

今回のご相談は、まさにそのケース。
すでに6年間借りている築30年の中古戸建てを、家主から土地価格よりも安い金額で買い取らないかという提案を受け、悩んでいるという内容です。

将来的には20年以内に手放す予定。ただ、「家賃を払い続けて何も残らないより、土地だけでも手元に残したい」という前向きな考えと、「築古戸建てを買う意味があるのか」という不安の間で揺れている状況です。

このようなとき、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点ではどう考えるのが合理的か、失敗しない判断基準と注意点をお伝えします。


相談内容まとめ

【現状】

  • 築30年の中古戸建(鉄骨)に6年間賃貸で居住中

  • 駅・学校近くで利便性は高く、周辺でも人気エリア

  • 家主が「土地価格より安い価格」で売却提案

  • 床がミシミシするなど、建物劣化は多少進んでいる

【将来計画】

  • ご主人は20年以内に地元に戻る意向

  • その際は売却 or 解体・土地売却を想定

  • 新築購入は考えていない(築古でもいい)

  • 長年の家賃支払いに疑問を感じている

【悩み】

  • 今後、リフォーム費用がどれだけかかるか不安

  • そもそも「20年以内に手放す家」を買う意味があるか迷っている


FPの結論|土地値が残るなら購入は「合理的選択肢のひとつ」

このご相談者の場合、「買うべきか・借り続けるべきか」は土地の資産価値次第で判断すべきです。

結論を先に言えば、
土地の価値が安定している(または今後も維持できる)なら、購入は合理的
今後20年で価値が下がるエリアなら、家賃賃貸継続が妥当

なぜなら、不動産購入の本質は「建物」ではなく「土地」の価値にあります。
築30年鉄骨住宅は、今後さらに価値が下がり、将来は「建物は0円」「土地だけが資産」になると考えましょう。

つまり「家賃払い vs 土地購入」の比較になります。


住宅購入は「住居費+資産形成」のバランスで考える

今の家賃支払いを20年続けた場合、仮に月8万円だとすれば…
8万円 × 12ヶ月 × 20年 = 1920万円
当然ながら、手元には何も残りません。

一方、土地付き中古戸建を購入すれば…

  • 土地は手元に残る(売却 or 活用できる)

  • 住宅ローン支払い後は固定資産税のみ

  • ローン返済終了後は持ち家コストが軽くなる

この比較を「土地価値」という観点で見ると、次のような基準で考えられます。


判断基準①|土地の価値がどう推移しているか確認

今回の物件があるエリアは「駅・学校が近く、人気がある」ということですが、確認すべきは次の3点。

1️⃣ 過去10年で地価は上がっているか?
2️⃣ 将来の都市計画・再開発予定はあるか?
3️⃣ 売却しやすいエリアか?(住宅需要、人口動態)

この3つがポジティブ要素なら、「土地だけでも購入は合理的」と言えます。
20年後、建物はゼロでも土地が数百万〜数千万円で売却できれば、家賃を払い続けるより遥かに有利です。


判断基準②|修繕リスクと費用を現実的に見る

築30年鉄骨住宅は、今後20年住むと築50年。
その間に起こる可能性が高い修繕リスクは以下のとおり。

修繕内容 費用目安 タイミング
屋根・外壁塗装 100〜200万円 10〜15年以内
給排水・設備更新 50〜150万円 随時
シロアリ・耐震補強 30〜100万円 状況による
内装(床・クロス等) 20〜50万円 必要時

築古戸建で200〜400万円程度は修繕予備費として想定しておくべきです。

「今の不具合(床ミシミシ)」についても、簡易修繕で済むなら良いですが、根本的な補強が必要なら費用確認が必要です。


20年住む前提で「家賃と購入」を比較してみる

ざっくり試算してみましょう。

【家賃継続】

  • 月8万円 × 12ヶ月 × 20年 = 1920万円

  • 手元に資産ゼロ

【中古戸建購入】

  • 価格:土地値−α(仮に1500万円とする)

  • 購入諸費用:約100万円

  • ローン返済額:1500万÷20年返済=年75万円×20年=1500万円

  • 固定資産税(仮に年間10万円):20年で200万円

  • 修繕:20年で300万円

合計:1500+100+200+300=約2100万円

➡ 最終的に「土地は残る」。土地価格が1000万円で売れれば、実質1100万円の住居費。

【結果比較】

比較項目 家賃住まい 中古戸建購入
総支出 約1920万円 約2100万円
資産 0円 土地1000万円(仮)
実質負担 1920万円 実質1100万円

こう考えれば、土地の価値が落ちにくいエリアなら購入は合理的と言えるでしょう。


購入時に注意すべきポイント

もし購入を前向きに考えるなら、次の点は必ず確認・準備しておく必要があります。

① 専門家の建物診断を受ける

  • インスペクション(住宅診断)を必ず実施

  • 見えない部分(基礎・構造・配管等)の状態確認

  • 修繕がいくら必要か事前に試算

② 将来売却しやすい土地か再確認

  • 接道(道路幅・法規制)

  • 用途地域(将来の利用価値)

  • 周辺の過去取引事例(売れる土地か確認)

③ 資金計画は「余裕あり」で組む

  • 修繕費積立:年15万円程度を事前に確保

  • 突発費用に備えた手元資金確保(現金200万円以上)


「将来手放す家」に住宅ローンを組むリスク

注意したいのは、20年後売却前提でローンを組む場合、返済期間・残債に注意が必要という点です。

ローン残債 > 売却価格になると、売却できない

  • 20年ローンなら完済できる

  • 35年ローンはNG(売却時に残債が重く残る可能性)

売却時に「ローン完済できる or 資産でカバーできる」前提で設計すべきです。


結論|「土地>建物」の判断で購入は選択肢として合理的

この相談者のように、

  • 人気エリア

  • 駅・学校近い

  • 土地が価値維持 or 下がりにくい

という条件なら、築古でも土地目的で購入は合理的です。

逆に、

  • 人口減少エリア

  • 周辺空き家増加傾向

  • 売りにくい土地

であれば、賃貸のままのほうがリスクは低いと言えます。


まとめ|FP的視点での選び方

【購入が合理的】
✅ 土地が将来価値を維持 or 落ちにくい
✅ 修繕費用も把握済み・積立可能
✅ ローン完済と売却時期が明確

【購入NG】
❌ 土地が売りにくい・下落懸念あり
❌ 修繕費が読めず、維持負担が重い
❌ ローン残債が将来売却価格を上回りそう

家賃支払いは「住居費」と割り切れますが、**土地購入は「住居費+資産形成」**です。

築古戸建でも、土地に価値があるなら「住みながら資産を持つ」という考え方は間違っていません。
20年先の売却、手放すことを前提にした合理的な購入計画であれば、むしろ賃貸よりコストパフォーマンスは良いケースも多いのです。

FPとして最後に伝えたいのは、
土地の価値を冷静に見極めること。そこが答えを左右します。

 

ブログではポイントをギュッとまとめましたが、より詳しい解説はこちらで紹介しています。気になる方は、ぜひそちらもご覧ください。

 

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